お題目は仰々しいですが、先日コンチネンタルのチューブラータイヤ、コンペティションの限定モデルTDF LTDがパンクしてしまいました。チューブラータイヤの宿命?パンク=タイヤ交換、パンクを直す腕もなくただ捨てるだけなら、どんな構造になってるのだろう、ちょっと中見てみたいな~、というちょっとした欲望から、ぶった切ってみました。その解体結果について書いてみたいと思います。
ちなみに、いくら使えないからとはいえ、定価15,000円強の物にハサミを入れるのは、結構躊躇しますね。
それでは早速。他のチューブラータイヤを切ったことがないのでわかりませんが、切った断面、こんな感じになっています。
画像下側が路面と接する側、トレッド面側となっており、上がホイールリムと接する(くっつける)側となります。
切った中身ですが、きっと皆さんがなんとなく想像する通りで、チューブをタイヤでくるんで縫い付けてるみたいな感じになっていて、簡潔に言葉にするとまあ単純な構造となっています。タイヤの縫い付け跡の上に、ふんどしと呼ばれている布をくっつけて、縫い跡を保護しようとしているのでしょう。このふんどし部分とホイールリムをくっつける、というのがチューブラータイヤの仕組みとなります。ただ素人が見て思うに、縫い付け部分の構造が結構難しくて複雑です。
では皆さん関心のありそうなタイヤとチューブの話はあとにして、先にふんどし部分、ちょっと複雑になっているところについて見ていきます。
このふんどし部分含めた、タイヤの接合部分は、タイヤによってどうも違うようで、このコンペティション、結構複雑でどうやって作られてるのかいまいちわかりませんでした。チューブラータイヤのパンク修理みたいなのを検索すると、ふんどし剥がして、タイヤ接合部の縫い付け糸をとるとチューブが出るとなってますが、どうもそう単純ではありません。
わかっていることとしては、
*チューブをタイヤでくるむ為の接合部とチューブの間に白い布がある
*白い布の幅は1.5~2cmくらい
*白い布中央と接合部は縫われている
*白い布の外側両端が多分タイヤを貫通してふんどしと縫われている
*ふんどしとタイヤは接着剤でくっついている
みたいな結構複雑な感じになっています。
白い布はかなり薄いペラペラの物で、折り畳まれて縫われているのですがイマイチ役割がわかりません。これがないと多分チューブと接合部縫合糸が直接当たってしまうため、保護用なのかと思いますが、それにしては、ペラペラ過ぎて役割を果たせているのか疑問になります。
ふんどしは結構丈夫な感じの布で、多分ふんどし両端に接着テープみたいなのがついてて、それでタイヤにくっつけてるように見えました。が真相は謎で、なんか見れば見るほど複雑で、どのようにハンドメイドで作っているのかさっぱりわからない構造です。
チューブのバルブ近辺のタイヤ縫合は、補強のためと思われますが元々の縫合糸に追加して、赤い糸でがっつり縫われていました。
色々考えられているのでしょう。ひとしきり感心した後、どうせ補修するわけでもないし、難しすぎるので考えることは止めました。
ではこの後は、チューブについてです。
チューブ重量は、ぶった切ったものを寄せ集めれば、測定は可能ですが、チューブラータイヤは所詮、総重量が問題となるだけなので、チューブについては厚み測定の実施としました。
場所により微妙に違いがありましたが、おおよそ0.45~0.47mmといったところでした。”ブチルチューブ 厚さ”で検索したところ、0.45~2mmと出てくるので、ブチルチューブで可能なぎりぎりの薄さにしているのかもしれません。ちなみに、とあるタイヤ比較サイトでは、普通のコンペティションのチューブ厚が0.4mmという記事もありました。誤差はありますが、普通のコンペティションと限定版のTDF LTDのチューブは同じものを使用していそうな気がなんとなくします。コンチネンタルには、super sonicという軽量なブチルチューブがありますが、もしかするとイコールなんですかね〜。
この0.4mmくらいの薄さだと、パンクするリスクはある程度考慮しておかないといけないのかなという印象ですし、パンクしても致し方ないのかなと思いました。
ではタイヤについてです。
タイヤは、きっとどのタイヤでもトレッド面(地面と接する面)とサイドの厚みが異なっていると思います。トレッド面をまず測りました。
トレッド面、よくよくみると結構減っていたので、センターから少し外した減りの少ないところで測定した結果となります。2.108mmとなりました。ちなみに普通のコンペティションの厚みは、2.5mmという情報がありますので、こちらがコンペティションとTDF LTDの違い、軽さの違いとなっているのかと思います。
耐パンクベルトは走行面に幅1cmほどで厚みは1mmはなさそう、0.5mmくらいでしょうか、薄い茶色のが入っています。結構硬そうで、この部分での貫通パンクは確率的にはさほど高くないのかなという印象です。おそらくこの部分の硬さが、タイヤのはめにくさに繋がっているのかと思います。
今回タイヤ交換のきっかけの一つとなっていますタイヤの亀裂なのですが、この亀裂、実はこの耐パンクベルトとないところの境目くらいで割れているのです。
タイヤに空気が入っているときにこの境目の部分がストレスとなって、経年劣化で亀裂が入ったのかもしれません。ちなみにサイドの厚みは0.42mmほど、
この厚みだとサイドカットにもあまり強くなさそうです。
今回タイヤをハサミで切ってみましたが、チューブラーの仕組み自体もそうですが、タイヤ自体も複雑な構造となっていて、ただ表面のゴムの下に耐パンクベルトが入っているくらいではなくて、何層かに分かれて構成されているものをくっつけている、みたいになっているように思えました。きっとタイヤのコンセプトによって、色々な組み合わせがあるのでしょう。
ということで、このコンチネンタル コンペティション TDF LTDのコンセプトは、軽量ブチルチューブの軽量タイヤで、トレッド面の耐パンク性が高く、路面のくいつきの良い走りに特化したタイヤといった作りとなっていそうでした。
重量増でもタイヤのパンクリスクを軽減したい場合は、ノーマルのコンペティションを選んだ方がいいというのも、今回何となくわかりましたが、多分そんなには違わないというのもわかりました。
いいタイヤであることは間違いないので、まあ一度はどちらか試してみてください。
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